不眠について

眠れない原因はさまざまです。主には、精神的なストレスや不安などから眠れない場合、疼痛による場合、お小水で起きてしまう場合などがあります。
針灸には鎮痛作用、安神作用があります。精神的なものならば、安らぐように。疼痛がある場合は、疼痛の治療をします。お小水で起きてしまうような場合は、水分代謝をよくする治療をすることによって、よく眠れるようになります。

不眠症があると、どのような疾患であっても回復が悪いものです。そのため、睡眠の質を回復させることを、なによりも優先して取り組んでいます。以下、症例です。


◇夜間に10回以上目が醒める

48歳 男性 N・Kさん 主夫

扁桃炎が主訴で来院。夜間には10回以上目が覚める
初回後、よく寝ることができた。扁桃が少し腫れているが、以前のような高熱ではなく、パンパンに腫れる感じもない。6回目、よく眠れるようになった。扁桃炎も落ち着き終了となった。

◇激務で不眠 耳鳴り 難聴

35歳 男性 会社員 N・Sさん 2015/1/15

激務がたたったことから不眠症、耳鳴り、難聴、中心性網膜症を発症した。ほかに過敏性腸症候、味覚障害あり。

初回治療後、よく眠れるようになる。2回目、目の見え方に変化あり。5回目視野の障害はほとんどなくなり、右目の激痛、耳鳴り・難聴もいつのまにか収まっていた。睡眠安定し味覚も正常になったので、治療は終了とした。

◇慢性的な不眠

32歳 女性 N・Yさん ライター

不眠歴も長く、マイスリー服用中。子宮内膜症、腺筋症、卵巣膿瘍と言われている。

4診目。治療の後は必ず下痢・軟便となる。8回目、よく寝れた。13回目、右下腹部の痛みが気にならない時間が増える。25回目、睡眠は安定し、よく寝れている。CA125値が77から正常値の34に,CA1-19値は、91から68に低下。長期出張となり、治療は終了となった。

◇逆流性食道炎 過敏性腸症候群

50代 女性 A・Sさん

冬。首肩が痛くて寝れないといって来院。手が痺れることもある。便秘と下痢を繰り返すので過敏性腸症候群とも言われた。

初回治療後、宿便らしき黒い便が大量に出た。2回目には下痢が出てお腹がすっきりしたという。肩こり用のテープを貼らなくても生活できるようになった。それで、とてもよく寝れているという。4回目、逆流することがなくなった。その後、いつも具合が悪いという3月を迎えたが、例年の花粉症がほとんど出ていない。ついでに良くなってしまった。

◇膀胱癌 夜間頻尿で30回 寝れない

60代 男性 匿名さん

膀胱癌の既往有り。家族に連れられて来院。不眠症が主訴であるが、夜に何度もおしっこにいかないといけない。寝てもすぐにトイレに行きたくなるため、とてもではないが眠れないという。とても冷えが強く、お腹のチカラも感じられない。
どうしても鍼は怖いというので、お灸のみで治療。治療後、帰宅してから大量のお小水とお通じがあった。その晩は一度起きた切りで、久しぶりによく寝れたと報告を頂いた。鍼灸の威力を思い知らされた症例。

◇寝付けない。寝ても頭痛で目が覚める

50代 女性 自営 S・Mさん

日中に3回くらい食いしばりをしてしまう。寝てても食いしばるため、首肩が辛い。明け方も頭痛で目が覚める。そのまましばらく起きられない。というより寝つきも悪くて眠れていない。鬱々として外に出たくなくなる。膝の上あたりから氷に浸かったように冷めたく感じる・・・などなど。どこにいっても、良くならないという。週2回のペースで治療を開始。症状が多彩で、特に気になるのは、右の親指の感覚がないこと。

治療を初めてから、2回目。指のしびれ感は徐々に減。5回目。食いしばりも頭痛もなくなり、睡眠の質が良くなる。朝のお小水が紅茶色に濁っていたのが、普通に色に近づく。下肢のむくみがなくなり、冷感も減ってきた。ついでに足が細くなった喜ぶ。徐々に元気も出てきてやる気が湧いてきている。

◇睡眠障害 中途覚醒 更年期

40代 女性 会社員 Sさん

更年期のせいかイライラしたり、落ち込んだり、睡眠も途中で覚醒したり、寝たりない。食欲がなく、便秘がち。たまに口内炎。
激務と遠方のため、月に一度の来院。積極的な体調の改善よりは、疲労の解消として来院。3回の治療を経た後、依然と比べてのぼせ感が減り、途中で起きることが減った。治療をしていると、食欲がわいてくるという。そこそこ楽になった時点で終了となった。

◇頭 背中 胃が痛くて眠れない

30代 女性 会社員 M・Nさん

半年前にびらん性胃腸炎をやり、ずっと頭痛が続いているという。特に一週間前から背中・肩も痛くなり、夜も寝れない

初回治療後、ずっと続いていた頭痛は治まりよく眠れた。3回目、冷えにくくなり足のむくみも減ってきた。5回目、胃は落ち着き、寝つきもよくなった。頭痛はほとんど再発していない。8回目、大分落ち着いてきたが、治療を受けていると調子がいいというので継続中。不眠も含めて体質的な問題から来ている点でいずれも無関係ではない。

WHO鍼灸適応疾患

WHOにおける鍼灸の評価は、日本の医学界におけるそれよりも格段に高いといえます。ですが、それでもまだ不完全で、現実にはもっと幅広い疾患に対応してきた歴史が鍼灸にはあります。ここでは便宜上WHOの適応表を借りて作成しています。


神経系疾患神経痛・神経麻痺痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症頭痛めまい・不眠・神経症・ヒステリー
運動器系疾患関節炎リウマチ頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患動脈硬化症・高血圧低血圧症・心臓神経症・動悸・息切れ
呼吸器系疾患気管支炎・喘息・風邪および予防
消化器系疾患胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝内分泌系疾患甲状腺機能亢進症・バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
泌尿器系疾患膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
婦人科系疾患生理痛月経不順冷え性不妊更年期障害・乳腺炎・白帯下
耳鼻咽喉科系疾患中耳炎・耳鳴・難聴ちくのう・鼻炎扁桃腺炎・メニエル氏病・鼻出血
眼科系疾患眼精疲労・疲れ目・かすみ目・結膜炎・仮性近視・ものもらい
小児科疾患小児喘息・アレルギー性湿疹・虚弱体質の改善・耳下腺炎・夜尿症
それ以外の疾患花粉症 過敏性腸症候群・起立性低血圧・潰瘍性大腸炎 皮膚疾患 尋常性乾癬 逆子・つわり 中心性網膜症 線維筋痛症 慢性疲労症候群

この症例集の目的

鍼灸治療に関する「よくわからないこと」が少しでもクリアになるように作成したのがこの症例集です。よって、専門家向けの学術的なものでもなければ、治療の有効性を過大に謳うゴットハンド的なものでもありません。

レストランが様々なように鍼灸院も、鍼灸師もさまざまです。鍼灸さえ受ければ、全国どこであっても同じような結果がでるという話ではありません。また、鍼灸治療の限界を示すものでもありませんこの症例集は、あくまで誠花堂の場合です。誠花堂で日々当たり前のように起こっていることを等身大のまま示したのが、この症例集です。