中心性漿液性網脈絡膜症の治療は別に分けました。

網膜色素変性症

30代 女性 会社員

発症は3,4年前。視野が狭まり、まぶしさが気になるので眼科に受診。遺伝性の網膜色素変性症と診断。視力の低下はないが、特に有効な治療法がないということで藁をもつかむ思いで来院。
初回後、目が疲れにくいという。3回目、視野が広く感じられる。15回目、少し見え方が良い。21回目、病院での検診によると症状の進行が止まっていたという。徐々に気持ちも明るくなってきたという。約半年の治療を経て、治療を終了とした。

ドライアイ。目やにがたくさん。

30代 女性 主婦 K・Kさん

首肩、眼が辛く、息も浅い。眉間に皺がより緊張が強い。ワンオペ子育てでストレスフル。

治療をすると、大きく息が吐けるようになる。こめかみが緩むと涙が浮び、胸が楽になると。久しぶりに目が潤ったという。眼の異常だからといって、眼からくるとは限らない。体質的な問題を含めて継続中。

眼瞼の炎症・充血・腫れ

二歳 男児 

数日前より目を痒がる。機嫌が悪く、食欲も減退。朝起きてみると右まぶたが赤く腫れ、眼球の充血。膿が溜まり目が開かない程。撫でる程度の小児鍼をして、そのまま帰した。 翌朝は目やにがほとんどでない程に減少した。4日ほどで癒えた。

慢性結膜炎

30代 男性 会社員 S・Aさん

10年ほど前から右目に慢性の結膜炎がある。イライラがあり、手足は冷えやすく、疲れやすい。
治療3回目、目の充血が引き始め、6回の治療でほとんど気にならなくなる。治療は終了となった。

慢性結膜炎Ⅱ

50代 女性 U・Kさん

元々は、更年期的な「なんとなく不調」で来院。台風通過、低気圧で悪化する頭痛、胃の重さが主訴であり、これらは治療を続ける中で寛解していった。
慢性結膜炎は毎年、5月になると発症し、コンタクトレンズが合わなくなるのだという。それが治療を受け始めてからは起こらなくなったという。特に結膜炎の治療をしていた訳ではないが、治療を続けていくとこのような副産物に恵まれることがよくある。

結膜炎Ⅲ

20代 女性 会社員 Tさん

眼瞼の腫脹、流涙、充血による痛み。下を向くと首に激痛。
針治療をすると、直後に症状が緩解した。帰宅後に、大量の目やにと涙、小水があり、眼瞼の充血炎症は去った。

甲状腺眼症① 初診2015/4/10

50代 女性 自営業

眼瞼の腫れ、眼球突出、Darlymple徴候あり。まぶたが下がらないので、眼球が乾燥して辛い。幼少期からアトピーがあり、5年前に高プロラクチン血症。2014年10月にバセドウ病(Graves' disease)を発症した。甲状腺ホルモンは投薬治療でコントールしつつ、目の症状を対象として週に2回のペースで治療を開始。

鍼による全体治療に加え、刺絡を併用。眼球の腫れぼったさは、治療したなりに軽減はするが、眼球突出は改善しにくい。以後、半年が経ち、眼球突出に関しては大きな進展はみられなかった。治療を受けていると目の不快感は楽ということで、現在も週に一回来院される。現在もまだ、服用中で、病院から頂く薬が減るたびに体調の変動があり、浮腫、だるさなどが現れる。それらの症状に対応しながら継続中。

甲状腺眼症② 初診2014/10/1

36歳 女性 事務職 I・Sさん

2013年夏、バセドウ病を発症。年末からまぶたが腫れぼったくなり、まぶたが下りなくなる。髪の毛も細くなり、脱毛が多くて気になる。

2診目、まぶたを閉じる事ができる。目の乾きが減り、涙が減った。4回目、全身が痛い、かゆい。8診目、抜け毛が減っている。眼圧が24mmHGから18mmHGに下がる。10回目、眼球の充血、眼瞼の腫れが引いて落ち着いてきた。周囲からも「良くなってきたね」と言われている。疲れやすさがなくなり、外を出歩くのが楽しくなってきたという。29診目の時点で、眼の腫脹は完全回復とはいえないが、眼圧が正常値内に落ち着き、まぶたが降りる程度にまでは回復した。抜け毛も収まり、新しい髪の毛がポヤポヤと生えてきている。ここで治療は終了となった。

眼瞼後退とは、過剰に分泌されている甲状腺ホルモンが平滑筋を刺激しておこる現象です。まぶたがつり上がったような状態になるので、眼球突出と間違われたりします。

眼球突出は眼球を動かす外眼筋の炎症や、その周囲にある脂肪組織の増殖などによって体積が増え、眼窩内圧が高まった結果、眼球が押し出されて眼球突出が起こります。ただ、「眼球突出=バセドウ」という訳ではなく、腫瘍や副鼻腔炎、粘液嚢腫などの可能性もあります。
バセドウ病がコントロールできているのに、眼症状が酷い方もいれば、その逆もあります。このことから、眼窩組織の炎症は甲状腺ホルモンの量とは関係がなく、自己抗体の影響によるためだと考えられています。鍼灸によって関節性リウマチや過敏性腸症候群、尋常性乾癬など、別の自己免疫疾患に対して症状の緩解が見られることから、バセドウ眼症にも一助となることができると考えています。

加齢性黄斑変性症

50代 女性 主婦 

基礎疾患として糖尿病あり 6年前から視覚障害。 続発性緑内障を合併。黄斑変性症とは網膜の中心の黄斑部に新生血管が生じ出血や浮腫みを生じて起こる症状であり、放って置くと失明に至る疾患であり中高年に多いと言われている。患者は体力がなく、冷えが強い。発症から長時間が経過しているため、大幅な回復は望めないと思われたケース。それでも、「できることはすべてやっておきたい」という本人の意向から、週2回のペースで治療開始。6カ月を経ても視野狭窄や視力への回復は起こらず治療の打ち切りも提案したが、全体的な体調に関してはとてもいいので、続けたいという思いを受け、その後も治療を継続。

視力がUP 

48歳 女性 S・Hさん

手足の冷えは主訴ではなく、咽のつまり、首から背中にかけて痛みがメイン。
胸のつまり、首、背中の痛みは数回の治療で消失。その後は定期的にメンテナンスとして通われていた。通い始めてから初めて迎える冬。その年は寒さが気にならなくなり、いつもは湯舟でもあったまる感がなかったが、今は温まるようになったと喜ばれた。また、視力がUPして免許の更新でメガネがいらなくなっていたという。

WHO鍼灸適応疾患

WHOにおける鍼灸の評価は、日本の医学界におけるそれよりも格段に高いといえます。ですが、それでもまだ不完全で、現実にはもっと幅広い疾患に対応してきた歴史が鍼灸にはあります。ここでは便宜上WHOの適応表を借りて作成しています。


神経系疾患神経痛・神経麻痺痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症頭痛めまい不眠・神経症・ヒステリー
運動器系疾患関節炎リウマチ頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患動脈硬化症・高血圧低血圧症・心臓神経症・動悸・息切れ
呼吸器系疾患気管支炎・喘息・風邪および予防
消化器系疾患胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝内分泌系疾患甲状腺機能亢進症・バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
泌尿器系疾患膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
婦人科系疾患生理痛月経不順冷え性不妊更年期障害・乳腺炎・白帯下
耳鼻咽喉科系疾患中耳炎・耳鳴・難聴ちくのう・鼻炎扁桃腺炎・メニエル氏病・鼻出血
眼科系疾患眼精疲労・疲れ目・かすみ目・結膜炎・仮性近視・ものもらい
小児科疾患小児喘息・アレルギー性湿疹・虚弱体質の改善・耳下腺炎・夜尿症
それ以外の疾患花粉症 過敏性腸症候群・起立性低血圧・潰瘍性大腸炎 皮膚疾患 尋常性乾癬 逆子・つわり 中心性網膜症 線維筋痛症 慢性疲労症候群

この症例集の目的

鍼灸治療に関する「よくわからないこと」が少しでもクリアになるように作成したのがこの症例集です。よって、専門家向けの学術的なものでもなければ、治療の有効性を過大に謳うゴットハンド的なものでもありません。

レストランが様々なように鍼灸院も、鍼灸師もさまざまです。鍼灸さえ受ければ、全国どこであっても同じような結果がでるという話ではありません。また、鍼灸治療の限界を示すものでもありませんこの症例集は、あくまで誠花堂の場合です。誠花堂で日々当たり前のように起こっていることを等身大のまま示したのが、この症例集です。