「毒物を分けて四となす」澤田健

「病気と体内毒」という題で、以下のようなものがある。

「毒物を分けて四となす。水毒、食毒、血毒、ガス毒。そうしてこれを完全に排除するのが治療の大切なる要目である。水毒を去るには腎臓をよくしなければならぬ。食毒を去るには大腸をよくしなければならぬ。血毒ガス毒を去るには、小腸と三焦をよくしなければならぬ。お灸をすえるにも、そのつもりで穴を配合すべきだ。そうしないと根本治療にならぬ。」 『沢田流聞書-鍼灸真髄』代田文誌著 

『鍼灸真髄』での記録によれば澤田健氏は、張仲景を「三流の医者だとこき下ろしていた」というが、この文章を読むと、内容は万病一毒論の世界であり、東洞先生が考えていた張仲景の医術であるといえる。

吉益東洞を崇敬した荒木正胤先生もやはり、体内の毒を去る事を大事とした。荒木先生は吉益南涯の気血水論を交えながら、このように毒を説明している。

「人間は、気血水が自ら融和巡行して調和した一個の生命体として生きている。ところが、この健康な人間も生活環境の悪条件に遭遇すると、気血水の調和が破れて、気滞、水滞、血滞の病症をあらわします。この停滞した状態を毒と呼ぶわけです。毒と呼んだからといって、その実体は気血水であることにかわりありません。」『漢方問答』 荒木正胤

除かれるべきはこれらの毒である。こうしてみると、澤田氏の見解との間に実際的な差異はないように思える。
太極療法で名をはせた澤田氏もまた、体内の毒を問題としていたということが興味深い。