当院では新型コロナ発生以前から、感染症による後遺症の治療をしてきました。これらの不調は血液検査や画像診断で確定できるものでありません。そのため、その存在自体があまり認知されていませんでしたが、新型コロナ大流行によって注目されるようになったという状況にあります。後遺症と言っても軽症・重症と程度は様々です。不調の内容も様々です。誠花堂では頑固な症状に対しても複数の治療法を持ちますので様々な症状に対応できると思います。お困りの方はどうぞご相談ください。東京都病院経営本部(令和3年5月時点)からの情報によれば、新型コロナ後遺症として多い症状は嗅覚障害が32%、倦怠感27%、味覚障害25%が上位を占めています。当院では味覚障害、嗅覚障害の方も来られますが、オミクロン株以降の後遺症患者が多く、体痛や倦怠感、不安感、鼻のどの違和感を訴える方が多いです。感染後に持病が悪化した、再発したという場合もあります。また、ワクチン後からの不調という方もおられます。新型コロナ罹患中から症状が持続するケースもあれば、いったん回復した後、数日~数週間後にあらたに不調が出てくるケースもあります。疲労感、倦怠感・関節痛・筋肉痛・咳・たん・息切れ・胸痛・脱毛・記憶障害・集中力低下・不眠・頭痛・抑うつ・嗅覚障害・味覚障害・動悸・下痢・腹痛・睡眠障害・筋力低下 新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット 東京都福祉保健局ここにはありませんが、ブレインフォグも注目される不調のひとつです。感染症が重症化する場合は病原菌やウィルスが強すぎたり、感染者の免疫力が低下していたり、または間違った対処法を取った場合などがありえます。間違った対処法というのは、風邪なのに入浴したり、自己判断で誤った服薬をしたり様々です。良かれと思ってこじらせるというパターンは新型コロナ以前からよくありました。新型コロナ以前では不適切な抗生物質の使用によって腸内細菌のバランスを崩し真菌症を起こしている場合が多くありました。本人に自覚はありませんが、こうして不調が始まっているケースもあります。腸内細菌のバランスの乱れが、喘息を悪化させるメカニズムを解明 筑波大学 科学技術振興機構感染力がある段階での治療はお受けすることはできませんが、感染力がなくなったあとの後遺症治療に関しては受け付けを再開しています。病名や症状名よりも大切なこと風邪にも段階があります。その影響が粘膜にとどまるのか、リンパ節にまで及んでいるのか。さらにはもっと深くへ及んでいるのか。それによってやるべきことが変わります。後遺症の場合は普通、かなり深いところまで影響が及んでいます。感染症後遺症症候群といってもその内実は様々です。誠花堂では病名よりもそういった内実を問題にします。なかなか伝えにくい所ですが、ここでは「だるさ」を3例取り上げて具体的にみていきましょう。”だるさ”にもいろいろある咽が痛み、寒気があり、体温が上がっていく時のだるさ。解熱した後に残るだるさ。熱もなく痛みもないが、じっと寝ていたい。起きられないというだるさ。それぞれがまったく違います。なにがどう違うのかを説明するには、専門用語を使わざるを得なくなるのですが、例えば太陽病、少陽病、太陰病といった用語で明確に分けられています。「だるさ」という点だけではこのような区別はできません。また、抗生剤で腸内細菌のバランスを崩した場合は大抵、体質が陰証に傾いており、放っておいてもなかなか治りません。私が治療をしていく中で感じることは、状態は段階的に変化しながら回復していくということです。ダメージが深ければ回復まで何か月もかかることもあります。そして、その時々の状態に合わせて治療方法も変えていく必要があります。そういう視点は鍼灸ではほとんどなかったため、私は湯液(漢方)からそれを学び、治療に活かしています。