誠花堂に来院される方の傾向として、よく見られる例を挙げます。特に、都会に生きる女性オフィスワーカーや主婦にこそ、お役に立てると思います。ここでは少々、専門的な話もしています。女性の不調・長時間のPC作業やスマホの見過ぎ・睡眠不足この2つがよくないことは、誰でもご存じでしょう。なにがどう良くないのかというと、東洋医学においては、この2つの習慣があると血(けつ)を消耗させると考えます。そして、その事が女性の健康に及ぼす影響は甚大です。というのも、女性の場合は月経のために、毎月必ず血を消耗します。妊娠、出産によっても血が大量に必要となるため、産後は特に尚更です。血の消耗血を消耗すると特に目に負担がかかります。そのため眼精疲労、頭痛が起こりやすく、ふらつき、耳鳴り、冷え症状も頻発します。美容面では血色不良、目の下のクマ、抜毛・薄毛・髪が折れやすい、爪がもろい、艶がないなどの不調が見られます。また、血(けつ)を消耗すると気の流れも悪くなるため、精神面においてはイライラしやすくなったり、心配症になったり、抑鬱的になることもあります。臓腑への影響臓腑への影響としては大腸、胃、小腸に現れやすく、胃痛、胃もたれしやすく、逆流性食道炎などと診断を受けている場合もあります。心臓が悪い訳でもないのに、動悸・息切れしたりもします。身体各部への影響主にこめかみや首すじ、胸や脇、下腹部の張りや疼痛、鼠径部・外陰部・股関節周りの不調として現れることもあります。顎関節症や頭痛のある方も多いです。皮膚の乾燥や痒み、感覚過敏や感覚異常に発展することもあります。特に検査でひっかる訳でもないので、自律神経失調症とかホルモンバランスの崩れとか言われていたりします。また、精神的なストレスが加わると悪化しやすく、都会で働く女性オフィスワーカーに多く見られます。より複雑になっているケースもあります。そこを微調整していくのがわたしの仕事です。上手くいくと表情も穏やか、血色も良く、目もパッチリして、顔つきが変わったりします。誠花堂では美容鍼はやっていませんが、そういうことがよく起きています。婦人科疾患と【瘀血】について 婦人科疾患をお持ちの方に限りませんが、慢性疾患、消耗性疾患では必ず存在するのが瘀血(おけつ)です。瘀血とは様々な不調や生活習慣などによる「結果」でもあり、不調の「原因」にもなります。慢性的な消耗や過度なストレスが重なっていた上で、1.風邪をこじらせたり、2.不適切な服薬や3.間違った健康法、4.不養生が重なったりすると、瘀血という病理産物が発生し、いよいよ病は深くなります。5.ケガや外傷によっても生じますし、先天的にある程度持って生まれる場合もあります。1.お腹や全身状況の変化、2不調の改善に伴い、3.瘀血排出が見られた場合、瘀血による不調であったということができます。3.瘀血の排出というのは、閉経していたと思っていたのに再び出血が起こったとか、ピンポン玉くらいの塊が降りたなど様々です。腹膜に起きた異常な緊張なのか、癒着なのかはわかりませんが、それでも確かに人間のお腹の状態には、このような異常所見が見られることがあります。このような瘀血反応があると、不調の根が深いといえます。症例婦人科疾患だからといって、婦人科の治療をすればいいというものではありません。生理痛だから三陰交、逆子だから至陰というのは、ネットでも雑誌でも紹介されていますがそうではありません。その時々の状態を見て、治療をすべきです。例えば、風邪の時は、風邪の治療をすることで生理痛が取れたりします。30代 女性 Y・Yさん 2013/04/24食あたりをしてから、月経時に吐き気と頭痛、悪寒がするようになったという。それまで月経は順調だった。症状としては月経前症候群ということになる。だが、来院時は、風邪の反応が出ていたため、風邪の治療をした。治療後に黒い便が出た。4回目後、月経が始まるが寒気、嘔吐はなかった。頭重感はあった。腹中の余熱を去るような治療をして終了。その後、月経時の不調はなくなられたというお礼の電話を頂いた。