「動悸、息切れがする。病院ではそれでも特に問題ないと……」そう言って来院される方がいます。検査では異常が見つからず、しかし症状は収まらないというのは、とても不安だと思います。ですが、そのような場合の動悸・息切れ・不整脈は鍼灸でよく適応します。その症状のなかには、自律神経失調症が関わっているものも多くあります。特に女性に起こりやすいのには、それなりの訳もあるので女性と東洋医学で説明しました。併せてご一読下さい。誠花堂での診察は、舌やお腹を診たりするアナログな方法です。ですが、だからこそ見つけられる異常もあります。そういった異常はCTやMRIを撮っても映ったりはしないものです。動悸・息切れ・不整脈32歳 女性 M・Mさん元々20代の頃から動悸はあったが産後に悪化。心臓の手術を受けたが、症状自体はまったく収まらないため来院。発作性上室性頻拍と言われている。幸い鍼は適応するらしく、1.2本針をすると大抵その場で動悸は収まる。初期の頃は数日でぶり返すが、根気強く続けていく中で、年に数回発作が起きる程度に落ち着いていった。状態も変化していくため、治療法もその都度変えながら続けていった。2017年から1年程の治療を経て、ほとんど動悸・息切れ・不整脈が起こらなくなった。過食が減り、月経痛も減っていった。動悸・息切れ・肩の痛みF・Yさん 女性 72歳僧帽弁閉鎖不全症、心房細動、糖尿病有り。近頃、年のせいか階段を上がると動悸・息切れがする。トイレで夜中に2回起きる。一度起きるとなかなか寝付けない。治療後、脈が飛ばなくなり身体が楽になるという。2回目、お小水が良く出るようになった。5回目、「いつのまにかよく寝れるようになってきた」という。2階に階段で上がっても、動悸・息切れがしなくなった。からだ全体が軽くなり、元気になった。外出するのに自信が出てきた。10回目、体力に自信が戻ってきたので、久しぶりに遠出をしてお孫さんの演奏会までいってくることができた。治療は終了となった。心不全症状が続く場合は外科手術が必要といわれていた症例です。ですが、このように適切な鍼灸治療であれば、心臓の負担をさげ、生活の質をあげることができます。たとえ、手術をしたとしても、長期的な予後に好影響を及ぼすこともできると考えられます。左肩と胸背痛と動悸。左手手指の痺れ。50代 女性肩こりが酷く、左肩の放散痛がある。不整脈と動悸あり。階段の上り下りで悪化しない。肩背部・手足への刺針をすると痛み・しびれ・動悸は鎮まり、肩の痛みも消失した。病院で一度検査してもらうが、特に異常もなかった。治療をしてからは発作は起きていない。私がまだ現場に立って間もない、初学の頃の症例。胸痛40代 女性 I・Eさん心臓のあたりが痛み、動悸がする。仕事のストレスがあり、それ以来痛むという。鍼治療をすると、胸の痛みは消失。翌週に2回目、「治療後4日ほどした後、ズキリと痛んだことが一度だけ。大分良い」。週に2回のペースで治療した後、概ね良好。回数を減らしていった。胸痛は若干残っているが、徐々に健康に自信を取り戻していき、治療は終了となった。動悸 息切れ 貧血 30代 女性31週目の妊婦で逆子もある。肩のコリ、手足の冷え、足のむくみなどがある。4回の治療を終えて動悸、息切れ、足のむくみ、手足の冷えが減り、逆子も戻った。治療前は鉄剤を飲んでいても貧血でヘモグロビンが8.4しかなかったのが、鍼治療を始めてから10.1まで回復。その無事に出産。もちろん安産であった。胸がちくちくする70代 女性 A・Y「心臓が悪いのではないか」と不安と心配が募っている。脇腹にチクチク感が出ている様子。首から肩・背中にかけて気の通りが悪い。心臓性の兆項はない。治療をすると緊張も解け、表情穏やかになり楽だという。辛くなると来院される。産後の動悸・いきぎれ30歳 主婦 Yさん産後の腰痛で来院。バルトリン腺炎もなんとかしたいという。これらの症状は、数回の治療で寛解していったが、動悸・息切れは長引いた。治療後、効果は3日程しか続かないがそれでも大分楽だという。その後、月に1,2回の治療を半年ほど続けるなかで、動悸と息切れはしなくなっていった。鍼灸は産後の回復を促す手助けすることができたと考えられる。更年期症状・動悸53歳 女性 H・Yさん3年前から動悸と息切れ、胸の不快感。精密検査で異常なし。更年期と診断。頭痛、手足指先の冷え。治療後は頭痛、肩こり、動悸などが楽になるので、メンテナンスとして定期的に通われている。末梢の循環が悪く、それが循環器の負担を増やしている。治療を始めてから、手足の冷えが気にならなくなり、湯たんぽがいらなくなった。動悸はまだ起こることがあるが以前より寛解した。睡眠不足で悪化するケースが多いことからも、消耗性の強い疾患だと思います。女性と東洋医学で詳しく論じています。併せてご一読下さい。