お通じが2,3日に一回、または1週間に一度しかない場合を便秘といいます。便秘に悩む人は多く、特に女性に多いです。そのために気分が優れず、頭痛がしたり、肩が凝ったりします。耳鳴りや不眠、食欲不振といった不調の他、ふきでもの、にきび、しみが出て肌が荒れ、ツヤも悪くなります。そこで下剤に頼るというのが普通のパターンですが、不適当な使用が腹痛や下痢を引き起こし、かえって便秘を常習化させてしまうという難しさがあります。鍼治療による便秘治療はそういった副作用がないためおすすめです。痙攣性便秘の症例「イライラ、不眠、のぼせ、食べられない」Sさん 40代 女性 便秘がちでたまに口内炎。イライラしたり、落ち込んだり、睡眠も浅い。1年前から徐々に体調が悪くなり、近ごろは食欲も減っている。激務と遠方のため月1で来院。3回目、便通がよくなりのぼせ感が減る。食欲もわいてきた。「食後に眠い ゲップがよく出る」30代 男性 I・Nさん 疲れやすく、口内炎もできやすい。胃がもたれるほか、首肩背中が張る。3回目、便通は改善の傾向。背中・腰のハリも気にならなくなってきた。週1回、10回程通われた時点で主訴はほとんど改善した。具合が悪くなりそうな時にメンテナンスとして来院される。その後、頭痛が減ったと報告を頂いた。無力性便秘の症例「酷い便秘で薬が手放せない」K・Sさん 37歳お腹が弱弱しく弛緩している。酷い便秘で薬が手放せない。体形への強い思いがあり、食事もかなり偏ったものになっている。硬い瘀血がある。常習性の便秘が解消されまで数か月を要したが、改善をみると同時に長年止まっていた月経が再開した。その後も服薬せずとも定期的に便通が保てている。「年紀の入った便秘」N・Tさん 40代 女性乳癌再発予防で来院。典型的な無力性の便秘。施術後に大量の排便があった。その後、便通が安定していくなかで体表の所見もよくなっていった。3か月後の検診で癌が縮小していたと喜ばれた。「週1回しか出ない」A・Yさん 30歳 女性 5年前から左肩の痛みと手指のしびれ。治療後、「お通じがたくさんあった」と喜びを報告してくれた。5回目、毎日お通じがある。左肩の痛みもだいぶ良い。治療は終了となった。特殊な便秘風邪がこじれて宿便Y・Yさん 30代 女性 食あたりをしてから、月経時に頭痛、悪寒、吐気がするようになった。来院時にも寒気がしていたため風邪の治療をして返した。治療後に黒便が出た。宿便が溜まっていたと言える。それにより、翌月の月経では寒気、嘔吐はなかった。午後の頭痛が残ったので腹中の余熱が減るように治療をした。その後、月経時の不調もなくなったとお電話を頂いた。便秘の型 大別して器質性・機能性に分けられます。器質性の便秘腸の内部がなんらかの原因によって狭まり通過がさまたげれて起こる便秘です。腸の癒着、炎症、癌などによって起こります。機能性の便秘大腸の機能異常によって起こる便秘です。物理的なさまたげがなく起こります。これは無力性・けいれん性に分けられます。・弛緩性便秘大腸の蠕動運動が低下して起こるもので、常習性便秘の大半がこれです。胃下垂や無力体質の女性、とくに中年以降の女性にみられます。出産後に腹壁、大腸の緊張が低下することが影響しています。・けいれん性便秘大腸のけいれんにより蠕動運動が亢進して起こります。腹痛、のぼせ、めまい、吐き気、不眠を同時に訴えることがあります。・直腸性便秘便が直腸に到達しても排便反射が起こらない、または減弱するために起こります。など様々なことが言われていますが、原因はまだよく分かっていません。現代の治療現代医学ではこれといった決め手がない疾患で、非常に難しい物のひとつとされています。誠花堂の考え機能性の便秘を解消するためにはさまざまな観点が必要です。お腹の硬さ柔らかさ、それも左右差があったり、冷えていたり様々です。便秘患者のお腹を触診させて頂くとそういったことが分かります。お顔のツヤにも出ますし、背中にも指先にも兆候は表れています。便秘でもおなかはあまり問題ではないこともあります。そういったサインを読み解いて治法を探ります。器質性便秘については、手術痕による癒着を緩和させることが有効な場合があります。帝王切開や子宮筋腫、盲腸の術後の後遺症としての便秘と言えますが、ここに機能性の便秘が重複していることもあります。手術痕が柔らかく、薄くなりますのでとても喜ばれています。