「たかが頭痛」と思われがちですが、日常生活がままならないほどの辛さを伴うことがあることはあまり知られていません。その事が余計に、頭痛患者の苦しさを増大させています。頭痛の種類には色々ありますが、それらは日常の些細なことが複雑にからみ合って起こっています。例えば睡眠の質、食事の内容、天候の変化、エアコンなどの空調の影響といったことです。逆に言えば、それらを解きほぐし、日常のチェックポイントさえ押さえておけば、予防することもできます。ほとんどの頭痛は克服可能です。治療中、その場で痛みが消えることもしばしばです。鍼だけで再発しなくなる人もいますが、生活から来ている場合も多く、その場合は生活の改善も必要です。そこまでやりたいという人にはアドバイスもしています。⚠️ 危険な頭痛について頭痛のなかには、重大な疾患が隠れている場合があります。次のような症状がある場合は、鍼灸よりも先に、脳神経外科や神経内科などの医療機関での受診をおすすめします。突然起こった、これまで経験のない強い頭痛数ヶ月のあいだに徐々に悪化している頭痛麻痺、けいれん、しびれを伴う物が二重に見える意識や言葉に異常がある発熱を伴う頭痛当院の考え方当院では、頭痛を「頭だけの問題」としてではなく、全身の偏りとして捉えることを大切にしています。頭痛があると、どうしても頭部に目が向きがちです。しかし実際には、首肩の緊張、姿勢の崩れ、食いしばり、睡眠不足、胃腸の弱り、冷え、呼吸の浅さ、疲労、自律神経の乱れなど、いくつもの要素が重なって頭痛が起こっていることが少なくありません。同じ頭痛でも、背景は人により異なります。そのため当院では、中国医学の古典に連なる見立てを土台にしつつ、痛みの場所や強さだけでなく、日頃の体調や生活背景を含めて丁寧にみていきます。局所治療と全体治療当院では、痛みを和らげる局所的なアプローチと、根本から身体を整える全体的なアプローチを組み合わせています。局所治療首、肩、後頭部、側頭部、顎まわりなどの緊張が強い部分に対して、鍼灸で的確に刺激を入れます。筋肉や筋膜の緊張がほぐれることで、その場で頭痛が軽くなることも少なくありません。全体治療単に筋肉を緩めるだけでは再発を繰り返す場合があります。姿勢、身体の使い方、睡眠、胃腸、冷え、ストレスなど、自律神経の偏りを踏まえて全身を調整します。目標は、「頭痛の頻度を減らす」「起こっても軽く済ませる」「効果を長持ちさせる」ことです。当院の特色当院では、古方漢方・日本鍼灸の視点に加えて、解剖学・生理学の視点も踏まえながら頭痛をみています。身体をハード(筋肉・骨格)とソフト(機能面・自律神経)の両面からみるということです。頭痛は当院が特に力を入れている分野のひとつです。「たかが頭痛」とご自身のつらさを我慢し続ける方が多いですが、そのつらさは決して軽く扱ってよいものではないと考えています。参考『頭痛の診療ガイドライン2021』監修:日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学 医学書院『頭痛クリニック』寺本純 診断と治療社『図解経筋学』西田浩一 東洋学術出版社