誠花堂での話です。全国すべての鍼灸院さんに適応できる話ではありません。―どのくらいの期間で、どのくらい良くなりたいですか―1,症状の質・深さ。基礎体力や年齢それに対して、2,治療の頻度1に対して、どのくらいの頻度の治療で、どのくらい良くなることが期待できるか、おおまかですがお伝えすることが出来ます。そのためには投資(時間・労力・費用)が必要で、どのくらいの投資ができるのか。これらの兼ね合いによって快復への度合いが変わります。効果がでやすい場合、出にくい場合については後述します。治療ゴールの設定についてみなさんのご事情やご希望によって、治療ゴールは異なってきます。同じ病名であっても、ゴールまでの道筋が異なってきます。また、経過によってもゴールは変化していくものなので、その都度再設定し続けていきます。皆さんのライフスタイルや治療に対する希望、ご事情を踏まえたうえで、最善の解決策を探していきましょう。施術の頻度 一例通院ペースの目安 通院の頻度 生活に支障が出ている 早くなんとかしたい 週に2、3回生活に支障は少ないが しっかり良くしていきたい 週に1、2回症状が落ち着いている 徐々に改善してきている 2~3週に1回メンテナンス・健康維持が目的 月に1回 or 適時短期集中の治療 鉄は熱いうちに打て生活に支障がでるほど症状が激しい場合の場合です。とにかくまずは日常生活がある程度はこなせるレベルに改善させることを目標とします。よって、日を詰めて治療することをお勧めします。その後、徐々に回数を減らして卒業を目指します。経済的・時間的にも無駄がなく安心です。慢性化している場合慢性症状は改善しにくいのが普通です。中~長期の治療計画を立てて、根気よく続けることが基本になります。 「回数を減らしても、現状維持できるか」または「緩やかでも改善が見込めるか」などを観察し、様子をみながら間隔をあけていきます。効果が出やすいか、出にくいか以下の条件により左右されます。①体質・体力 (年齢や生活習慣など)②症状の軽重 (急性か慢性か、根が深いか、浅いか)③これまでの経過 (発症してからの経過と対応)以上の項目から総合的に考えます。一般的に、「基礎体力がある」×「病が浅い」×「新しい疾患」このような場合は、短期間で効果がでやすい傾向にあります。逆に、治りにくく、効果も持続しにくいのは、次のような場合です。「基礎体力がない」×「病が深い」×「慢性症状」×「不養生」このような「治りにくいケース」では、日を詰めて治療する必要があります。また、肝硬変や胃潰瘍などの器質的な変化を起こしてしまったものを、元通りに回復させることは基本的に困難です。また、潜在意識に病の根源がある場合も話が別です。そういった部分が意図せずよくなることもありますが、その術を持つわけではないので基本的には対応できません。その場合、著効が見られないことが多いので、相談の上、治療を中断にさせて頂いています。メンテナンス 健康維持が目的の場合いまあなたが維持しようと考えている”健康”のレベルとは、どれくらいのものでしょうか。あなたが自覚しているよりも、はるかに状態が悪いというケースがありえます。例えば、日常生活はなんとなく送れているけど、実は”半病人”状態であるという状況です。こういうケースでは「現状を維持する」という目標自体が間違いです。【慢性化している場合】に準じた形で、まずは身体を立て直す必要があります。その上で状態を維持する・メンテンナンスに通院する方が良いでしょう。1ℓのガソリンで1000km走ることはできません。鍼が効く・効かない以前の問題として「ゴールの設定」を見誤り、漫然と治療を受けられても、やがては体調は下行していく恐れがあります。それは避けたいと考えています。