鍼灸・漢方の勉強会を毎月1回開催しています。当会は東京を本部として活動するいやしの道協会に属します。系統としては、伝統鍼灸です。福岡は東京・大阪にくらべ、鍼灸の勉強会自体が少ないようです。伝統鍼灸系も特に少ない印象です。伝統鍼灸は日本では主に経絡治療系、中医学系に2分されますが、私たちのグループはそのどちらでもないマイナーな会です。そのため難経を基にした五臓の相生相克で考えることも、弁証論治をするわけでもありません。理路整然とした理論体系を求める人には釈然としないと思います。しかし、理屈で割り出せる答えの外にも正解があるのが現実です。いかにしてそこに到達するか。理論的なお勉強もちゃんとしますが、あくまで理論の先に進むことを前提として学んでいきます。そんな会です。当会の特徴について述べます。湯液を学ぶ意義まず、学術的なベースとしては、日本の古方漢方をベースとします。そのため、自ずと漢方の知識が身に付きます。ただし、処方する能力を求めているのではありません。処方する資格もない私たちが湯液の考え方を学ぶのは、それを鍼灸治療に活かすためです。鍼灸には臓腑経絡説がありますが、そのために点と線の考え方しかなく、立体的な構造物として人体を捉える発想が長らくありませんでした。また、湯液には時間経過により変化していく病を段階的にとらえる視点がありますが、鍼灸にはありません。そういった問題点に気づき、より高次元の治療とすべく横田観風先生が考案された育成法をいやしの道協会では行っています。また鍼灸においては、先人たちによる江戸時代の諸流派の研究成果が技術面に反映されており、日本的な鍼灸とはいかなるものか、探求したい人に向きます。いやしについていやしの道協会という団体を冠する「いやし」について一言説明しておきます。「いやし」を大事とする訳は、医術・医学としての鍼灸治療の研鑽にとどまらず、全人的ないやしの実現へ向けて学び続ける。そういう志を持つ人たちの集まりだからです。また、東洋における様々な芸事は、日本文化のなかで「道」として昇華されていくなかで、自己の身体と心と向き合うことを求めてきました。弓道、柔道、書道、華道などといった道の稽古はすべて、「坐」を基本として成り立っています。かつて栄えた日本的な鍼灸を体得するには坐法の体得が必要です。そのため坐法の訓練があります。礼に始まり礼に終わるという前時代的な価値観、修練法も奇妙にみえるかもしれませんが大切にしていることです。とはいっても、指導する河原自身が鍼灸以外に能のないダメ人間ですので、肩肘張る必要はありません。むしろ「ダメな自分自身をどうにかしたい」と心の底で渇望しているような人にこそ向いているかもしれません。世の片隅でいいから明るく照らせるような人間になりたい、そういう動機があれば結構です。最後に今日から使えるテクニックみたいなものはなく、地道な学びが必要です。腰を据えて学ぶ意欲のある方、大歓迎です。参加希望の方は誠花堂までご連絡ください。---------------------------・福岡の勉強会 月1回 毎月第二日曜 10:00-13:00 福岡市内の会場 鍼灸師、学生が参加できます。・傷寒論輪読会 月2回 隔週水曜 22:00-22:30 ZOOMにて 本部・関西・福岡の勉強会に参加している方が参加できます。