日光過敏症のうちの光接触皮膚炎、日光蕁麻疹についてです。遺伝性の色素性乾皮症や代謝異常症のポルフィリン症、全身性エリテマトーデスなどによる日光過敏症は治療例がないため省いています。日光過敏症の原因外因と内因に分けられますが、クロモフォアという原因物質が体の内外から皮膚に到達し、それが直接毒性を持ったり、免疫反応がおきることで発症するといわれています。日光蕁麻疹、光接触性皮膚炎、多形日光疹といった分類もありますが、東洋医学的には体質的な問題のほうが、治療を左右します。日光過敏症(光線過敏症)26歳 男性 K・Tさん仕事の激務がたたり、23歳で発症。日光を浴びると顔面部に炎症が起こるようになった。その後、夜間の仕事に移ったが不規則な生活により更に悪化していった。病院での治療を受けて来られてきたが、決定的な治療法がないという。所見として、手足も氷のようにつめたいのが目についた。鍼を数本打つと、着替えがいるほど大量の汗をかく。2,3回目以降も、鍼をするたびに、同様の現象が起こった。また、本人の希望によりお灸を自宅でも実践してもらった。治療を続けるごとに手足が温まり、精神的にも肉体的にも緊張が解け、外を出歩いても症状が現れなくなる。経過観察を含めて、7回の治療で終了とした。解説鍼治療により大量に発汗が起こりました。下痢をする人もいます。それにより原因物質であるクロモフォアも排泄されていき、日光に反応しなくなったのだと推測することができます。大切なのは”無理やり発汗させた、下痢をさせたのではない”ということです。無理やりやろうとすると余計にこじれかねません。身体が整う事で結果、”自ずから”発汗した、下痢をしたという点が大切です。長期間、日光を避ける生活を続ければ体内のリズムが失われ、不眠症やうつ病、免疫力低下も招きます。また紫外線を浴びることで、ビタミンDが活性化し骨が強くなります。鍼治療で日光が浴びれるようになるのなら、こういった二次的な疾患の予防にも繋がります。皮膚は内蔵の鏡皮膚と内臓とは深い関係にあります。内臓の健康状態はそのまま皮膚に反映されます。皮膚病は内科的性格が強い疾患です。そして一般にはあまり問題にならないような小さな内臓機能の変化が、皮膚病発生に深く関わっています。それは健康診断などでは問題にならないごく小さな変化です。根本治療がないとされている理由のひとつです。そういった微細な変化を知る術は東洋医学にはあり、望診や腹診といったアナログな診察によって調べます。その意味を解釈する医学の体系がある点で、民間療法とも一線を画します。誠花堂の考え・慢性化した皮膚病の場合、臨機応変な治療技術が必要です。その時々にあった方法を見極めないと最後まで上手く導いていくことができません。そこをかみ分けつつ、効果の高いツボを厳選して刺激していきます。治療法も針だけでやる時期、お灸だけでやる時期、併用したり、刺絡をしたり色々です。千変万化しながら緩解に至っていきます。・症状を緩和し、範囲を縮小させ、自力でコントロールできることを目指します。皮膚病に人生を支配され、食餌療法にも支配されたままではなく、主導権を取り戻していく必要があります。