普通の鍼灸を普通に提供
現代の公的医療保険や高度医療は、誰もが均一な治療を受けられる素晴らしい仕組みである一方、医療機関をシステムとして維持するための「大規模化・効率化」を進めてきました。
その結果、診療は短時間化し、電子カルテに向き合う時間が長くなり、目の前の患者さんの「人」や「手」を通じた変化が見えにくくなっている側面もあります。
一方で、鍼灸院の多くは公的医療保険の枠外にあり、完全な自由診療として厳しい競争の中に置かれています。
そのため、美容メニューを取り入れたり、フルコース化して単価を上げたり、商業化が進みやすい業界構造があります。SNS等では「劇的な変化」や「即効性」を強調した投稿が目を引きますが、これもその一端と言えます。
東洋医学という、この埋もれたる医療資源を等身大のままに知ってもらいたい。
そして、もっと普通に提供できないものだろうか。
創業以来、誠花堂がしてきたことは、「普通の鍼灸を普通に提供する」です。
様々な流行がありましたが、その一点において、ぶれずに今日まで続けて来れたことは、誇ってもいいかもなと近頃思っています。
腕に鍼をして痔を治す
足に灸をして眼が潤う
そんな馬鹿な、と思われると思いますが、それが東洋医学の世界です。
普通の考えだと、「腰痛なら腰に鍼をする」です。
ただ、そういう発想で行くと歯ぐきが痛いなら歯ぐきに、緑内障なら目に鍼をしよう。痔であるならば肛門に鍼をしなばならない・・・という発想になってしまう。
それで良くなるのなら、それはそれでいいとは思いますが、、、。
鍼の良い所は、必ずしも患部に触れたり見たりする必要がないことです。
経絡という気の繋がりを介して、遠隔から刺激を送ることもできます。
頭や腕に鍼をして痔が楽になるのって素敵だと思いませんか。
しかし、現代医学の常識に浸かったままだと、このような考え方をすることができません。
大切にしていること
現代医学は進歩してはいますが、はっきりと原因の分かる病気は案外多くありません。
すべての病を治せるわけでもありません。生命の仕組みを解明したわけでもありません。
「原因不明」「気のせい」とされ、行き場をなくしている患者さんが多くいらっしゃいますが、当然の現象です。
誰でも鍼さえ刺せば、=東洋医学になる訳ではありません。
つまり鍼灸治療の経験はあっても、東洋医学は未経験という事態もあり得るわけです。
なぜ、そういう事が起きるのかというと、専門学校では東洋思想は学ばないからです。私個人の考えでは、東洋医学を標榜する者は、一度、現代人としての常識を捨てる必要があると思うのですが、そういう機会はありません。
そうして、現代医学の立場から鍼をすれば当然、常識の範囲内の施術に留まります。
私は古代中国や江戸時代の鍼医・漢方医たちが持っていた「心と頭、そして眼差し」に近づけるよう努力をしてきました。今日までの多少の成果はその賜物です。
まったく歯が立たない依頼も現実にはありますが、現代医学の枠組みから漏れてしまったお悩みを解決する糸口を求めるならば、常識の外側に出ていくしかありません。
ならば、もっとも長い歴史をもつ東洋医学がふさわしい。
何を見つめ、どう見立て、どんな姿勢で施術に向き合うか。この事を大切にしています。
鍼は皮膚に「当てるだけ」でも効きます。
鍼は皮膚に「当てるだけ」でも効きます。
実際のところ、鍼を皮膚に「当てるだけ」でも気は動きます。ここには書きませんが、もっと驚くべき事実もあります。
上手くいけば、一瞬で筋出力が上がったり、体の動きが滑らかになったり、緊張がゆるんだり、目の焦点が合いやすくなったり、色々変化します。
それなのに、鍼をなぜ敢えて刺すのか。
学校で習ったまま、「刺すことありき」の鍼灸師にはそもそもこの問い自体が存在しません。
そうなると、刺激は自然と過剰となりやすく、事故も起こりやすくなります。
私も鍼でガッツリ響かせることはしますが、刺さなくても気は流れることを知った上で行っています。
施術の時間について
世間の多くの治療院は「60分 6,000円」といった時間制を採用しています。しかし、誠花堂では時間売りを行っていません。施術の目安は15分程度ですが、その日の状態によって多少の前後することがあります。
時間制ではないため、長引いた場合でも追加料金は一切いただきません。 反対に、短く終わった場合の割引や「長くやってほしい」というご要望にもお応えしておりません。悪しからずご了承ください。
医療において最も大切なのは、「その時に必要な刺激を、必要な分だけ与えること」です。
5分で十分な施術を60分行うのは過剰です。
3mmで十分な場所に2cm刺すと余計に痛くなったりしがちです。
不要な刺激は、かえって効果を下げますし。度が過ぎると事故を招きます。
誠花堂は「不要なことは一切しない」。安心と安全、そして本物の施術をお届けします。
要所は押え、
余白を残す
”ツボ”とは人体における要所、急所です。
的を得た施術であれば、概ね一本、二本の鍼でも驚くべき効果を出すことができます。
その勘所が分からないと、60分も90分もかけて100本もの鍼を打って、お灸もして、マッサージもする事になる。フルコースというよりは、訳のわからない施術になります。
普通、経験を積み、技術が上がると要領がよくなるので、必要な鍼数は減ります。
鍼は世間で思われているよりも遥かに効きます。
たぶん、世間一般の鍼は刺激しすぎです。
盛りだくさんの施術はやってもらった感も高く、良さがない訳ではないですが、誠花堂では少し足りないくらいの、余白のある施術を好みます。
状態が変われば、
施術も変わる
症状は形を変えながら出口に向かっていくことがあります。
特に慢性病を抱えている方や、様々な重複投薬によって副作用が出ている方がそうです。
鼻の奥が苦しいからと言って、鼻だけを見ていても分かることは限られています。多くの場合は、鼻とは別の場所に問題が隠れているので、そこから手を付けていかねばなりません。
そのため、その時々で施術内容は変わります。
いつも漫然と同じ施術をするということはありません。
先週までは気持ちのいい温灸で、翌週からは鍼を中心で、という事もよくあります。
最後のひとこと
「原因不明」「気のせい」「年のせい」と言われても、
つらさは本人にしかわかりません。
はじめての方にも、落ち着いて相談していただけるように準備しています。
どうぞ安心してご連絡ください。