良性発作性頭位眩暈症(BPPV)は、頭の向きや体の向きを変えたときに、急にぐるぐるするめまいが起こる病気です。誠花堂では、このようなめまいを体質や全身状態との関わりからみていきます。とくに「水の偏り」「気の乱れ」「血の不足や滞り」が重なることで、めまいが起こりやすくなると考えます。病因日本漢方・鍼灸において、めまいはひとつの原因だけで起こるのではなく、体質と生活の影響が重なって起こると考えます。たとえば、疲れ、冷え、ストレス、胃腸の弱り、加齢、睡眠不足、病後の体力低下などです。これらによって体内の水分バランスが乱れたり、気の巡りが悪くなったり、血が不足したりして、めまいが起こりやすくなります。病態生理(病機)日本漢方・鍼灸では、BPPVのようなめまいは、主に「水滞(すいたい)」「気逆(きぎゃく)」「血虚(けっきょ)」「瘀血(おけつ)」などの状態として考えます。余分な水が体にたまって頭に影響したり、気が上にのぼりすぎたり、血が不足して頭を十分に養えなかったり、血の巡りが悪くなったりすることで、めまいが出やすくなると考えます。1. 水滞めまいにもっともよく関係するのが「水」の乱れです。胃腸の働きが弱ったり、体内の水分調整がうまくいかなかったりすると、余分な水がたまり、頭重感、ふらつき、吐き気などが出やすくなります。2. 気逆ストレスや緊張が強いと、気が上にのぼりやすくなります。すると、急なめまい、のぼせ、動悸、不安感などを伴うことがあります。3. 血虚体力の低下、病後、産後、慢性的な疲れなどで血が不足すると、頭を十分に養えなくなります。そのため、立ち上がったときのふらつきや、疲れたときに強くなるめまいが出やすくなります。4. 瘀血血の巡りが悪くなると、めまいが長引いたり、頭痛や肩こりを伴ったりすることがあります。外傷のあとや、慢性的な不調が続く方では、この状態が関係することがあります。5. 胃腸虚弱胃腸の弱りをとても大切にみます。食欲不振、胃もたれ、疲れやすさがある方では、胃腸の弱りが水滞や気血不足を招き、めまいを起こしやすくしていることがあります。発症に関与する因子次のようなことがめまいに関係すると考えます。疲れや体力低下: 体が弱ると、めまいを起こしやすくなります。胃腸の弱り: 食欲低下や胃もたれがあると、水の巡りが悪くなりやすくなります。ストレス: 緊張や不安が続くと、気の巡りが乱れて症状が出やすくなります。冷え: 体が冷えると、巡りが悪くなり、めまいが長引くことがあります。加齢や病後: 年齢や病後の衰えによって、回復しにくくなることがあります。臨床的意義誠花堂では、めまいを単に耳や頭の問題だけでなく、体全体のバランスの乱れとしてみていきます。そのため、水の巡りを整える、気を落ち着かせる、血を補う、胃腸を立て直すといった考え方を大切にします。症状をやわらげるだけでなく、体質を整えて再発しにくい状態を目指します。まとめBPPVによるめまいを日本漢方・鍼灸の視点でみると、「水の偏り」「気の乱れ」「血の不足や滞り」「胃腸の弱り」などが関係していると考えます。疲れ、ストレス、冷え、加齢、病後の体力低下などが重なることで起こりやすくなります。体質やそのときの状態に合わせて整えていくことが、改善と再発予防に大切です。